物件の選び方

事業所の物件選びについてお問合せの多い事業毎に見ていきたいと思います。


目次

居宅介護などの訪問系サービス

訪問系サービスや相談支援事業のようなサービスの場合、物件選びにはそう困らないと思います。

広さなどの要件もありませんので、マンションの一室などで十分対応が可能です。

居宅介護の場合、相談室や事務室などの必要なスペースが確保できれば問題ありません。

相談室は机が1つと大人4名が座れる程度の広さで大丈夫です。

相談室は畳の部屋でも構いませんので、必ずしも椅子を置かなければならない訳ではありません。

こうしたことから、事業用として借りることが出来る物件を探せば何ら問題ありません。

注意

物件を借りる際、不動産会社に「事業用として使う」ことを伝えているにも関わらず、契約書が「住居用」となっているケースが結構あります。

SOHO物件の場合、賃貸借契約書の表紙が「住居用」となっていてもどこかのページに「SOHOとしての使用を認める」と言ったような記載がされてあると思います。

この場合は申請の際にその点を窓口に伝えれば問題ないでしょう。

ただし、そういった文言も無く単に「住居用」となっている場合は申請が行えませんので御注意下さい。

就労継続支援A型事業の場合

福岡県では作業・訓練室について利用者一人あたりの必要な広さが決められておりません。

このため、利用者の人数×〇㎡という考え方は不要です。

ただし、あまりにも面積が狭い場合は窓口から指摘を受けるため無理な設定は避けるべきだと言えます。

事業所が行う作業内容によって必要なスペースは変わってきます。

御自身が考えられている事業内容に合わせて物件選びをする必要があります。

就労継続支援A型事業のページに書いてあるとおり、相談室については「部屋」を用意できない場合には注意が必要です。

パーテーションで区切る場合でも相談内容(会話)が外に漏れるような体制では窓口から指摘を受けることになります。

相談室や多目的室にも必要な広さと言うものは定められておりません。

事業所全体の広さについては100㎡未満の物件を探すことをお勧め致します。床面積が100㎡以上になると用途変更の手続きが必要になり多額の出費が必要になります。詳細は下記の項目をご覧ください。

平成30年6月27日に公布された建築基準法の一部を改正する法律により、200㎡までは用途変更が不要となることになりました。

ただ、「公布から1年以内に施行」とされているため各自治体によって対応がバラバラのため、いつから適用されるのか事前に確認することをお勧め致します。

放課後等デイサービスの場合

可能な限り100㎡未満の物件を探すことをお勧め致します。

施設系サービスの場合、事業所の床面積が100㎡以上がそうでないかで手続きが大きく異なります。

100㎡以上の場合は用途変更の手続きが必要になり、1級建築士等の専門家に依頼する必要が出てきます。

ヒント:

稀に100㎡以上の物件であっても用途変更が「必要ない」と建築指導課(審査課)から回答が出る場合があります。

これは「児童福祉施設等」に放課後等デイサービスや児童発達支援事業が含まれないと「見方によっては」言えるからです。

児童福祉法第7条には「児童福祉施設とは」という記載があり、その中に放デイや児童発達支援事業が含まれておりません。

ただし、特殊建築物の定義として見ると「児童福祉施設」として記載されており、この「等」に放デイや児童発達支援事業が含まれると判断し、用途変更が「必要」とされるケースもあります。

いずれにせよ、物件について建築指導課や消防等との協議が必要であることに変わりはありませんので物件の契約をする前に必ず各窓口にて確認するようにして下さい。

ケースにもよりますが、用途変更の手続きを依頼した場合に要する費用は50~150万円とかなり高額になります。

このため、最初から大規模な事業所を構える計画が無い場合は100㎡以下の物件を探すようにしましょう。

また、事業所として使用する物件は新耐震基準をクリアしている必要があります。

これについては見分け方は簡単で、昭和57年以降の物件であれば問題ないと言えます。

昭和56年に旧耐震基準から現行の耐震基準が導入されました。

昭和56年よりも前に建てられた物件の場合は新耐震基準をクリア出来ていない可能性が大いにあります。

また、昭和56年よりも前の物件が新耐震基準をクリアしているかどうかを確認するために耐震診断を実施するとなると100万円程度の費用が必要になります。

こうしたことから、昭和57年以降に建てられた物件を探すことが重要だと言えます。

手続き上の話としては福岡市、福岡県共に昭和56年以前の物件、つまり旧耐震基準のままの建物でも申請は受付けてもらえます(平成30年9月現在)。

これは旧耐震基準で「良い」としている訳ではなく、新耐震基準に準拠する形で運営をする必要があることを事業所は「理解している」と見なして受付している形です。

つまり、極端に言うと何かあった時は「自己責任」として事業所に責任を取らせるという事です。事業が開始した後も当然に建築基準法や消防法の基準を満たす義務があることは確かです。

このため、どうしても古い建物を利用しなくてはならないような事情がある時は別として、可能な限り新耐震基準を満たしている昭和56年以降の物件を探すようにして頂ければと思います。