就労継続支援A型

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最近ではその数も以前に比べてかなり増えてきた就労継続支援A型事業所。

雇用契約を結ぶことで労働基準法に準じた業務を行うことになります。

あくまでも個人的な見解ですが、就労継続支援A型事業は非常に運営が難しい事業だと思います。

よく勘違いされている部分でもあるのですが、国保連から支給される訓練等給付費を利用者の人件費に充てることは出来ません。

利用者の人件費はA型事業所で行う生産活動の売り上げから捻出する必要があります。

この点だけで見てもA型事業所と言うのは運営が非常に厳しいものであることが分かると思います。

逆にこの点を理解していないためか、「A型事業所を開設したい」という問い合わせが多いのも事実ではあります。

ページ冒頭にも触れたように、現在ではA型事業所の指定基準は非常に厳格化されております。

特に福岡市の場合は誰が見ても売り上げが確保できているような事業計画書を作らないと事前協議すら終えることが出来ないと思った方が良いと言えます。

人員用件

  • 管理者
  • 従業者
    • 職業指導員及び生活支援員
      • 総数 ⇒ 常勤換算で利用者数を10で除した数以上
      • 職業指導員の数 ⇒ 1人以上
      • 生活支援員の数 ⇒ 1人以上
        ※1人以上は常勤
        (解釈通知)
        職業指導員及び生活支援員については、その員数の総数が常勤換算方法により、利用者の数を10で除した数以上でなければならないのもであり、この場合、職業指導員及び生活支援員のそれぞれについて、最低1人以上配置することが必要である。
        また、職業指導員及び生活支援員のうち、いずれか1人以上は常勤でなければならない。
        なお、職業指導員及び生活支援員の員数は、雇用関係の有無を問わず、利用者たる障害者の人数に基づき算定すること。
    • サービス管理責任者
      • 利用者数60以下 ⇒ 1人以上
      • 利用者数61以上 ⇒ 1人に、利用者数が60人を超えて40又はその端数を増すごとに1人を加えて得た数以上
        ※1人以上は常勤

特徴的な制度として、利用定員の数に応じて一定数に限り一般の人の就職が認められています。

これは障害者の方のみでは作業が難しいけれど、一般の方が一緒に働くことで障害者の方が作業に従事することが出来るケースもあるからです。

職業指導員や生活支援員の配置によって報酬の単位が変わってきます。

人員配置区分はⅠ型とⅡ型に分かれており、Ⅰ型の方が報酬の単位は多くなります。

Ⅰ型
利用者の定員に対して職業指導員及び生活支援員を7.5:1で配置。

Ⅱ型
利用者の定員に対して職業指導員及び生活支援員を10:1で配置。

上記を計算する際、従たる事業所を設置している場合でも計算上は合計の利用定員を基に計算します。

利用定員が15人に対して職業指導員及び生活支援員を常勤換算上で2以上配置できればⅠ型、という感じです。

サビ管の資格要件について

  1. 相談支援の業務に従事した期間が5年以上である者
  2. 社会福祉主事任用資格者等(注1)であって直接支援の業務に従事した期間が5年以上である者
  3. 1及び2が通算して5年以上である者
  4. 社会福祉主事任用資格者等(注1)でない者であって直接支援の業務に従事した期間が10年以上である者
  5. 国家資格等(注2)を有する者がその資格に基づく業務に5年以上従事しており、かつ相談支援業務及び直接支援業務に従事した期間が通算して3年以上である者

注意1
社会福祉主事任用資格者、訪問介護員2級以上に相当する研修の修了者、児童指導員任用資格者、保育士、精神障害者社会復帰指導員任用資格者をいう。

注意2
医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士(管理栄養士を含む。)、精神保健福祉士をいう。

サビ管の資格要件は非常に複雑です。

申請にむけてまずはサビ管就任予定者の経歴書を作成することをお勧め致します。

実務経験には障害福祉サービス事業に従事していたケースでなくても、介護事業に従事していたことで認められるケースもあります。

御自身で手続きをなされる際は、経歴書を持って窓口に資格要件を満たすかどうかを確認してみましょう。

人員用件で一番と言っても良いほど確保が難しいのがサビ管とも言えます。

事業開始に向けて、まずはクリアするべき点であると言えます。


施設要件

  • 訓練・作業室
    訓練又は作業に支障がない広さを有し、必要な機械器具などを備えること。
    (一応の基準として利用者1人あたり3.0㎡の広さが必要とされています)。
    作業内容によって必要な広さは様々ですので訓練の内容に応じた広さを確保するようにしましょう。
  • 相談室
    間仕切りなどを設けること。
    ※パーテーション等で区切る形でも大丈夫ですが、その場合でも「ドア」を設置するよう求められるケースがあります。単にパーテーションを置いて、出入りの部分だけ開放しておくような形では認められないケースが多いためご注意ください。
    ドア付のパーテーションも販売されていますので、費用や工期などを事前に確認しておきましょう。
  • 洗面所・便所
    利用者の特性に応じたものであること。
  • 多目的室その他運営に必要な設備
    相談室と一緒にすることは可能です。


申請に向けて取り組むこと

事業の種類によって幾つかのポイントはありますが、A型事業を行うにあたって最初に行うのは事業計画書の作成です。

管轄窓口との事前相談において事業計画書を持参する形となるのですが、内容を認められない限り延々と事前相談を繰り返さなくてはなりません(福岡市の場合)。

事業計画書には介護給付費はもちろん、事業所としての売り上げをその根拠を示す形で作成する必要があります。

また、人件費などの経費についても社会保険料も含め詳細な数字が求められることも当然と言えます。

こうしたことから、事業計画書の作成は念入りに行う必要があります。

弊所ではお客様が計画されている事業内容をヒアリングし、それに沿った形で事業計画書を作成致します。

事業計画書作成には幾つかのポイントがあり、その点を無視して作成すると窓口には認めてもらえません。

お困りの方はお気軽に御相談下さい。

基準省令第185条

就労継続支援A型に係る指定障害福祉サービスの事業は、利用者が自立した日常生活又は社会説活を営むことができるよう、雇用して就労の機会を提供するとともに、その知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の便宜を適切かつ効果的に行うものでなければならない。